スタンダードマンの記録

愛と平和と家族のために働く平凡な男の日記

ガーディアンを連呼するおばあちゃんに出会った

ほんの数日前のことだが、仕事であるお客さんの家を訪ねた。

お客さんの家自体は特に何もなかったのだが、問題は帰り際、お客さんの家の隣から聞こえてきた声だ。

「ガーディアン。ほら、こっち、ガーディアン。ガーディアン。」

 

私は、耳を疑った。それと同時に胸の高鳴りを覚えた。声の方に視線を向けると、なにやらおばあちゃんが友達らしき人を、庭の畑に手招きして案内しているようだった。

 

「ガーディアン。ガーディアン。見て、ガーディアン。」

おばあちゃんは早口で呟く。自然と頬が緩み膝が震える。

「そこにガーディアンが、いるのか?」自分が軽い興奮状態にある事を感じた。

 

ここら辺で女性の方には説明が必要になって来ると思う。

あえて言い切るが、男は皆、ガーディアンというものが好きだ。憧れていると言ってもいい。まず、ガーディアンという言葉の響きに「カ、カッケェ…」となる。そして、ガーディアンが守護者という意味と知り「ガーディアン…ヤバイ…マジヤバイ……」に変わる。

 

そもそも男というのは、なにかと守りたがる生き物である。土地を、愛する者を、あるいは誇りを。「攻撃こそ最大の防御なり…」とか言う奴ですら前提として守ることが頭にある。とにかく目を離すとすぐにガーディアンになろうとするのが男なのだ。

 

そんな男の象徴でもあるガーディアンを連呼し、あまつさえ友達に見せつけようとするおばあちゃんが目の前にいるのだ。(下ネタではない)

そうなると必然、私の足は止まる。

 

「ガーディアン。ガーディアン。ほら、来て。ガーディアン。ガーディアン。ガーディアン。見て、これ。ガーディアン。ほら!」

 

矢継ぎ早に発せられる、ガーディアンと呼び掛けのコンビネーションブロー。

奇しくもそれは、私が柿ピーを食べる順番と全く一緒であった。

 

「柿!柿!ピー!!柿!柿!柿!ピー!!柿!!ピー!!!」

 

体に馴染んだリズムが心地いい。思わぬ偶然の一致と本物のガーディアンへの期待に、私のテンションは最高潮に達した。

 

「ほれ、ガーディアン!」

 

 

 

…結果を言うと私の憧れた守護者はそこにいなかった。ナスだった。

 

ィミゎかんなぃ。。もぉムリ。。。

そう思った。

だが、それならそれで元々なんて言ってのかが気になるので調べた。

 

ちなみにどうでもいいんだか、【茄子 ガーディアン】と一括りにして検索に掛けた人は世の中にいるのだろうか。当然それらしいものは出なかった。

 

言葉をずらしたりして調べていくと、それらしき言葉が出て来た。ガンディアだった。

ガーディアンはおばあちゃんの訛り具合と私の耳の腐り具合から生まれたようだ。

リスターダ・デ・ガンディアというイタリアの品種のナスらしい。

 

「ほう」と思った。

なんでも、肉厚で和風の煮物にすると旨いらしい。炒めてチーズと絡めても美味しいらしいが、それは別にどっちでもよかった。

私が気に入ったのは、リスターダ・デ・ガンディアという語感からくる必殺技感、圧倒的な強者感のみ。

 リスターダ・デ・ガンディアの前では、どんな料理もたちまちオシャレになるだろう。

例えば、リスターダ・デ・ガンディアで麻婆茄子でも作ろうものなら、それはもう麻婆茄子とは表記されない。

「こちら本日のメインディッシュ、

マルボーウ・リスターダ・デ・ガンディアでございます。」

間違いなくこうなる。

 

このオシャレ感ならBLEACHあたりに出て来ても違和感ない気がする。破面(アランカル)とかが使いそう。というか使ってた気がする。

十刃(エスパーダ)の誰かが帰刃(レスレクシオン)したのがガンディアでガンディアを刀剣解放第二階層(レスレクシオン・セグンダ・セターパ)したのがリスターダ・デ・ガンディアだった気がする。

よく分かんないけど多分、そう。

 

ドーン!

 モクモク〜

「無駄だ、と言っている…」

 

「なん…だと…?」

 

「このまま殺すのは簡単だ…。しかしせっかくだ、冥土の土産に真の姿を解放してやろう」

 

「なん…だと…?」

 

「リスターダ・デ・ガンディア!」

カッ!

どどん!!

「なん…だと…?」

……………

………

間違いなく、使ってた。

 

その後、家に帰って妻に「知ってるかな?リスターダ・デ・ガンディアっていう名前のナスがあるんだよ!」と言ってみた。ドヤ顔だったと思う。今日知った言葉だがかなりドヤってた。そんな気がする。

「ふぅん。で?」

吐き捨てるように妻は言った。